私たちは、誰でも、「できる人間」になりたいと思っています。
「怠け者」や、「ダメ人間」になりたいと、本心から思っている人はいませんよね。
私の知り合いには、もともとそんなつもりはなかったのに、いつの間に怠け癖が付いて、怠け者になってしまった人がいました。
その人は、会社での仕事量が少なかったので、本気を出せば1日で終わる仕事を、3日かけてやっていたそうです。
仕事を1日で終わらせてしまって、暇になるのが嫌なので、ダラダラと仕事をしていたと言います。
その結果、何事に対しても、頑張るという気持ちが弱くなり、怠け癖がついてしまったというのです。
今回は、怠け癖の恐ろしさと、怠け者やダメ人間にならないための方法をお伝えします。
怠けることの恐ろしさ
1.怠け者思考になる
何かに対して、いったん怠ける癖が付く付いてしまうと、その特定のことだけでなく、日常生活全般的に怠けるようになってしまいます。
冒頭の知人のエピソードからも分かるように、「仕事だけ」に手を抜いていても、手を抜くことを続けていると、そのうちに怠けるという思考が身についてしまい、いつの間にか、人間的にも「怠け者」になってしまいます。
物事に取り組むときの姿勢や、思考自体が根本から変わってしまうのです。
一つの事に対して手を抜き続けていると、何事に対しても、「全力でやろう」とか、「頑張ろう」と言う気持ちがなくなっていき、芯から怠け者になってしまうのです。
2.能力が衰えてしまう
筋肉は使って鍛えれば強くなります。しかし、逆に使わないと、どんどん弱まっていきます。
人間というのは合理的にできていて、良く使われるところは強化され、使われないところは弱体化していきます。これは順応というもので、その方が効率的で、省エネルギーで済むからです。
人の持つ能力も筋肉と同じで、使えば鍛えられますが、使わないと、どんどん衰えていきます。
したがって、怠けたり、力をセーブしたり、手を抜いたりして、自分の能力を温存して活動をしていると、その能力がフルに使われないので、能力が衰えていきます。
普段は怠けていても、必要なときがきたら、全力を出せばいいと思っていても、怠けていることに慣れていると、全力を出すことができなくなります。
また、なんとか全力を出したとしても、能力自体が衰えてしまっているので、かつて出すことのできた全力から比べると、相当ダウンした能力しか出せなくなってしまうのです。
筋肉で言えば、かつては全力を出せば30kgの重さを持ちあげられたとしても、怠け続けると筋力自体が衰え、全力を出しても、20kgの重さしか持ちあげられなくなってしまうのです。
筋肉でも脳でも、能力でも、良く使われるところは強化され、使われないところは弱くなるのは、人間の仕組みから見て当然のことなのです。
3.喜びが得られなくなる
私たち人間は、頑張って全力で取り組んで、達成したときには喜びを感じます。
たとえ目的を達成できなかったとしても、目標に向かって努力したときには、充実感を感じるものです。
しかし、怠けて頑張らないと、達成感、充実感、満足感というような、喜びの感情が得られなくなくなってしまいます。
簡単にできることを達成しても、それは当たり前のことなので、喜びは得られません。
たとえば、マラソンでゴールするまでに2時間30分かかっていたのが、頑張って2時間を切るようになれば嬉しいですよね。
しかし、頑張らずに、マラソンを3時間で走ったとしても、喜びは得られませんよね。
脳科学者の茂木健一郎氏は、著書の中でこのように書いています。
できると分かっていることを成し遂げても、脳は喜びを感じない。脳は、少し難しいことをやり遂げたり、一生懸命になって苦労の末に成し遂げたときに喜びを感じる。
日常生活でも、喜びを得るためには、怠けずに、全力を尽くしたり、努力することが大切なのです。
怠け者になってしまうのを防ぐ方法
1.何事にも手を抜いて行わないようする
まず、怠けることによって、ダメな人間になってしまうことを自覚しましょう。
私たちは、元来、楽をしたいという気持ちを持っているので、気を抜いて過ごしていると「手を抜いても良いかな?」、「少しくらいならサボってもいいかな?」と思ってしまうものです。
しかし、実際にそれを実行すると、何事に対しても怠けようとする考え方が習慣化してしまいます。
普段、手を抜くことがない人が、初めて手を抜くときには、心理的な抵抗を感じますが、2度目に手を抜くときには一度目よりも抵抗なく行え、さらに3度目、4度目は全く抵抗がなくなり、そして、それがいつものことになり習慣化していくのです。
ですから、手を抜いてやろうかなとか、怠けようとう考えが浮かんだら、「怠け者になってしまうぞ」と自分を一喝し、気を引き締め直して、何事にも手を抜いて行わないようにしましょう。
2.怠けないことで得られるメリットを考える
何事でも全力で行えば、達成感、充実感、満足感などの喜びの感情が味わえます。
力を出し切って、うまく行ったときの充実感は自分でも誇らしく思いますし、たとえうまく行かなかったとしても、精いっぱいやったという思いがあるので、後悔することはありません。
また、能力は使えば使うほど、どんどん上がっていくので、「できる人間」になります。
怠けた場合と怠けない場合では、年齢を重ねて行けば行くほど、大きな差が生まれます。
怠けずに頑張ること、全力で取り組むことで、得られるメリットを考えましょう。
3.やりがいを増やす工夫をする
自分が行うことに対して、自分で目標を決めたり、締め切り時間を設けたりして、達成する喜びが増える工夫をしましょう。
目標設定は、難しすぎてもいけませんし、簡単すぎてもいけません。これは絶対に押さえておきたいポイントです。
難しすぎると、とても達成できそうもないので、やる気が失われてしまう可能性があるからです。逆に簡単すぎると、張り合いがなく、全力を出そうという気もなくなる可能性があります。
ですから、自分にとって少し難しいくらい、頑張ればできるくらいの目標値にすることが大切です。
たとえば、自分の実力で普通に行うと1時間で終わる仕事であれば、目標値は50分くらいに設定します。
これを難しすぎる目標、30分で終わらせるにすると、初めは良いかも知れませんが、途中で「どうせ無理だ、ダメで当たり前だ」という気持ちが生まれてします。こうなってしまうと、あきらめモードになり、目標を達成しようとは思わなくなります。
初めから欲張って、タイトな目標設定にするのではなく、「頑張ればできるかも」というギリギリのラインを目標に設定しましょう。
これが達成できると、喜びが得られます。
まとめ
自分の能力をセーブすると、どんどん能力が衰えていきます。
仕事を怠けると、怠ける癖がついてしまい、何事に対しても怠けるという本当の怠け者になってしまいます。
ノルマがない会社員で、怠けてダラダラしても、全力で取り組んでも、同じ給料がもらえなら、頑張らない方が得をしているような気になるかも知れません。
しかし、頑張らないと自分自身の能力が衰え、ダメ人間になっていき、結局は損することになるのです。
怠けず、物事に全力で取り組むことで、どんどん能力が上がり、喜びや達成感も得られます。
本気でやらなくてもできるとか、時間を調整してダラダラやろうという思う気持が浮かんだら、それは自分をダメにする悪魔のささやきだと思いましょう。
そんな考えは断固拒否して、物事に全力で取り組むようにすれば、決して怠け者になることはありません。
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