常に「ないものねだり」をしてしまうというループから抜け出し満足を得る方法

手を伸ばす人 改善・向上

私たち人間は、新しいものを好むという性質を持っています。

 

古いものよりも新しいものの方に、そして、持っているものよりも持っていないものの方に、関心が向きやすいという傾向にあるのです。

 

しかし、この心理作用は、満足感を得るためにはとても不利に働きます。なぜなら、「ないもの」ばかりに目が向くということは、せっかく持っているものを楽しむことができないということだからです。

 

今回は、人間の持つ「常にないものねだりしてしまいがちである」という心理から抜け出し、満足感を高めるための方法をお伝えします。

満足は買うことでは得られない

ネットショッピングをする

人間が持っている、「古いものよりも新しいもの、持っているものよりも持っていないものを好む」という性質を満たすために行われているもっとも身近な行為は買い物です。

 

買い物をすれば、「新しいもの、持っていないもの」を手に入れることができるため、多くの人は、買い物をすることが大好きです。

 

しかし、「新しいものが欲しい、持っていないものが欲しい」という欲望を、新しくものを買うことで満たそうとすると、思わぬ落とし穴に落ちてしまいます。

 

その落とし穴とは、新しく何かを買っても、買ってしまえば、すぐにそれが「持っているもの、見慣れたもの」になってしまうことです。

 

そのため、何度買ったとしても、永遠に「新しいもの、持っていないもの」が欲しいという状態からは抜け出せないのです。

 

欲しいと思って、新しく服を買ったり、雑貨を買ったりしても、満足するのは、長くても数日間くらいで、すぐに飽きてしまいます。

 

「持っていないものが欲しい→手に入れてしまえば持っているものになるため興味を失う→持っていないものが欲しくなる→また、手に入れてしまえば興味を失う」という無限のループからは、永久に抜けられないのです。

 

このループの中にいれば、満足感が得られるのは買った直後のほんのつかの間のだけです。買っても買っても、いつまでも満足感は得られず、それを永遠と繰り返していくことになります。これでは満足感は得られませんし、さらに、お金も足りなくなってしまいます。

 

このループから抜け出したければ、「新しいもの、持っていないもの」へ向いている関心の向きを変える必要があります。

 

パラダイムをシフトし、関心の方向を、「ないものに目が向く状態」から、「あるものに目が向く状態」にしてやればいいのです。しかし、これは「言うは易く行うは難し」なのです。

あるものに目を向けることが難しい理由

持っているのに更に欲しがる女性

「ないものではなく、あるものに目を向けること」が難しい理由として一番大きいのは、資本主義経済の中で生きていることが挙げられます。

 

経済学者のヨーゼフ・シュンペーターは、「資本主義の役割は人々に新しいものを好むように、そして買うように教えることにある」と主張しましたが、資本主義経済の中で育った私たちは、「新しいものが欲しい」という感覚が自然にできあがってしまっているのです。

 

資本主義が良いとか悪いというのではなく、資本主義経済というものは拡大し続けることを目的としているため、社会を拡大するために役立つ活動を推奨するという面を持っているのです。

 

ですから、多くの人は、常に新しいものや、持っていないものが欲しくなるというループから抜けだそうとは思わないし、自然にしていたら抜け出すということはないのです。

 

何かが手に入れば、満足すると思って手に入れても、結局それでは満足できず、次々にないものに目が向く状態は、消費を拡大するので、経済社会のことを第一に考えた場合には良い状態であると言えますが、人間の満足という面から考えたら、この状態を抜け出した方が良いと言えるでしょう。

「あるものに関心が向く」ようにするにはどうすれば良いか?

販売サイトを見る人

あるものに関心が向くように心掛けても、気持ちだけではなかなかうまくいくものではありません。

 

資本主社会の中で発信され続けている、「経済を拡大する行為は良いことだ」というサブリミナルな社会的メッセージによって育まれた感覚から抜け出すのは難しいのです。

 

気持ちだけでは不十分で、行動することによって、徐々に考え方を変えていくしかないのです。

 

ないものに関心が向かないようにするために有効な行動の第一歩目は、広告やCM、カタログ、ショッピングサイト、商品紹介雑誌などの、購入を促すものをできる限り見ないようにすることです。

 

このような購入を促すものを見ていれば、誰だって新しいものが欲しくなるのは当然です。

 

ショッピングサイトやお店に行って、「何か良いものはないかしら?」と探すことは、持っていないへ目を向ける行為そのものです。

 

ないものを探そうすれば、必然的に、ないものに目が向きっぱなしになってしまいます。

 

広告やCM、販売ページなどは、そこで紹介してる商品を手に入れれば満足が得られるのではないかと期待を抱かせるように作られていますが、それは誤った幻想であって、私たちが何度も経験している通り、購入することによって満足が得られることはないのです。

 

 

あるものに関心が行くようにするための行動の第二歩目は、すでに持っているものを使い倒すことです。常にないもののの方へ目が向いていると、せっかく手に入れたものでも、手に入れた途端に関心が薄れるので、ほとんど使われないということになります。

 

持っているものに注意を向けるために、持っているものを意識的に使うようにするのです。

 

すでに持っているものを意識的に何度も使っていると、そのうちに愛着がわいてきます。多少古くなっても、よく着ていた服がなかなか捨てられなかったり、良く使っていたものは捨てにくかったりという経験は誰でも持っているのではないでしょうか。このような心理がはたらく理由として挙げられる最大のものは、「単純接触効果」という心理作用が働くことでしょう。

 

人間は、人でも物でも何であろうと、何度も接触する機会があるものには好意を抱くようになるものなのです。

 

CMで何度も流れる曲を好きになったり、何度も見かける営業マンに親しみを感じたりするのも、単純接触効果が働くためです。

 

この単純に接触するという行為は、人間の嗜好に、とても強力な影響を与えるため、持っているものは使い倒すという戦略は、あるものに関心が向けるための、とても有効な方法なのです。

 

たとえば、良いと思った音楽なら、繰り返し何度も聴いてみる。ためになったり、感情を動かされた本であれば、繰り返し読読んでみる。楽しかった映画なら、何度も見てみる。お気に入りの服なら、お出かけ用などと温存することなく、普段から何度も着るといった具合です。

 

既に持っているものに繰り返し接してみることで初めて、手に入れたものの価値がわかり、本当に楽しむことができるのです。そして、持っているものに目が向くようになるのです。

まとめ

ないものばかりに関心が向くというのは、人間の持つ一般的な心理傾向ですが、それでは、せっかく持っていても、それを楽しむことができないということになりがちです。それは、経済的に見ても、満足感の上でも、とても大きな損失です。

 

「ないものに関心が向く」のを、「あるものに関心が向く」ようにするには、まず第一に広告やCM、販売ページなどを極力見ないようにすること。第二に、何かを手に入れたらそれを使い倒すこと。

 

これを続けることで、常にないものに関心が向いてしまい、根本的に満足感が得られないというループから抜け出すことができます。

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