あなたも知らないうちにしていませんか? 相手の神経を逆なでする「確認」の仕方

コミュニケーション

先日のことです。

とある法人から郵送されて来た封筒に書かれていた私の住所が、間違っていました。

住所の番地が15-12ではなく、「1」が抜けて、15-2で送られて来たのです。

 

実は、何年か前から気付いていたのですが、年に2回程度しか郵送されて来ないので、
そのままにしていたのです。

 

しかし、今回の書類に、また書類を送るようなことが書いてあったので、これを機に住所を訂正してもらおうと、その法人に電話を掛けました。

 

住所の一部が抜けていることを伝え、訂正して欲しいと頼んだのですが、オペレーターはこう言いました。

 「住所というのは重要な情報のため、電話では変更できません。

引っ越しをしたときと同じように、住所変更の書類を提出してもらう必要があります」

 

私は、「単に1が抜けているだけなので、データベースに登録したときの入力ミスではないでしょうか?」と聞いたのですが、オペレーターは、こう言います。

 

「こちらでは、提出され書類に基づいて登録しております。
登録時に出された書類にミスがあったのではないでしょうか?」

 

そんなはずはないと思ったのですが、書類を提出したのは、もう十数年以上前の話なので、証明しようがありません。

 

そして、「住所変更のお手続きで、よろしいでしょうか?」と聞くので、「よろしいでしょうか?と聞かれても、他に方法はないんですよね?」と聞くと、「そうです」と言います。

 

それなら、「よろしいでしょうか?」とは、言わないほうが良いのに、と思いつつも、「それでは、それでお願いします」と言い、住所変更の手続き書類が送られてくることになりました。

事実が判明

電話を切った後、本来は電話1本で済むことなのに、変更手続きの書類を書いて送るのは、手間だなと思い、過去に送られてきた書類を探して住所を見てみると、平成25年の書類では、住所が正しく印刷されていました。

その法人に再度電話を掛け、平成25年の時点では、正しい住所で送られてきていたという事実を伝え、「そちらで、何かの原因でデータベースの住所が変わったのではないでしょうか」と言いました。

5分くらい待たされた後、「私どもの方で、住所をいじった形成はないのですが、そういう事情であれば、今回は私の職権で、変更させていただきますが、よろしいでしょうか?」と言います。

私は「お願いします」と答えましたが、内心、お詫びの一言もない上に、初めから訂正してほしいという希望を伝えているのに、「よろしいでしょうか?」と言うのは、バカにしている気がしました。

 

顧客に対する正しい言い方は、次のようなものでしょう。

「大変申し訳ございませんでした。
こちらで住所を変更させていただきます」

 

マニュアル通りの応対

今回の電話でのやり取りを含め、「よろしいでしょうか?」というのも、マニュアル通りの対応の仕方かもしれません。

しかし、「よろしいでしょうか?」という言葉は、選択可能な選択肢がある場合に、「こちらでお間違えありませんか」と確認するときに使うべきです。

 

たとえば、私が本屋さんで、上・下巻のある本の、下巻を買ったときに、言われたケース。

「こちらは下巻ですが、よろしいでしょうか?」

 

これは、「この本は上・下巻があります。これはそのうちの下巻ですが、それで間違いありませんか?(上巻はすでに読んだのですね?)」という使い方です。

これはお客さんの買い間違えを防ぐために、お客さんのことを考えて使った言葉なので、正しい使い方です。

 

このように、「よろしいでしょうか?」と聞く目的は、相手のためです。

選択肢がないのに、ましてや望んでもいないことに対して、「よろしいでしょうか?」と聞くのは、追い打ちをかけるようで、相手に与える印象は悪くなります。

つまり、「よろしくない」ことです。

相手に悪感情を持たれたくなければ、選択肢がないときは、「よろしいでしょうか?」は、使わないことです。

マニュアルが第一?

マニュアル型人間

マニュアルは、誰がいつ見ても同じことを再現することができる便利なものですが、マニュアルに固執しすぎると、頭を使わなくなり、臨機応変な対応ができなくなります。

 

本来は、訳もなく出来ることでも、「規則ですから」と、マニュアルに書いてあること以外は、はねつけてしまいます。

マニュアル通りにしていれば間違いないという考えに陥り、自分の頭で考えることができなくなるのです。

マニュアルは、そこに書いてあることが一番大事なのではありません。

 

たとえば、電話応対のマニュアルというのは、本来、相手に良いサービスを提供するためにあるものです。

だから、マニュアルを第一に考えるのではなく、相手のことを第一に考えなければならないのです。

マニュアルは、絶対ルールなのではなく、基本ルールです。

何が一番大切なのかを考えましょう。

そうすれば、相手に不快な印象を与えることがなくなり、マニュアル通りにしか動けない人間になることを避けることができます。

まとめ

「よろしいでしょうか?」という言葉は、相手のために言う言葉です。

相手の選択肢がないのに、自分の保身のためにする確認や、マニュアルに書いてあるからという理由だけで使うと、相手の神経を逆なでし、相手に悪い印象を与えます。

相手に選択肢がないときは、使わないことです。

マニュアルは絶対ルールではないということを頭に入れておかないと、相手の反感や、恨みを買うこともあります。

マニュアルに縛られず、何が大切かを考えるようにしましょう。

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