人間は未来を予測するのが苦手な生き物です。
正確に言えば、未来を予測すること自体は簡単ですが、それを当てることが苦手なのです。
たとえば、社会や経済がどのように変化するのかを予測できれば、株式や外国為替などの金融市場で大金持ちになることができます。市場が上がることが正確に読めるのなら、安いうちに買って高くなってから売ればいいからです。
市場を正確に予想できる人がいれば、世界中の富はその人の所へすべて集中するでしょう。世の中にこのような人がいないことからもわかるように、社会や経済の未来というものは、様々な要因が複雑に絡み合って作られていくため、その未来を正確に読むことは不可能に近いと言えるのです。
しかし、自分が将来どのようになるかについては、ある程度は予測可能です。個人の将来というものは、社会情勢や金融市場に比べて、自分の意志でコントロールできる部分がはるかに大きいからです。
今回は、自分の未来の姿を予測する方法についてお伝えします。
予測しやすいタイプの人と予測しにくいタイプの人
世の中には、将来の姿を正確に予測しやすいタイプの人と、そうでないタイプの人がいます。
将来の姿を読みにくいタイプの人は、変化することを好み、人生に冒険を求めるような人たちです。
人生のあらゆる局面で様々なことに挑戦していくような人たちは、より多くの機会に自ら飛び込んでいくので、この先どうなるかを読むことは難しいのです。将来の姿は、様々な機会から生まれてくる予期しない偶然よってに大きく左右されていくからです。
たとえば、様々な国に行って、現地の文化や言語、ビジネスを学んだり、ビジネスに参加するような人たちや、住む地域を頻繁に変える人たちがこのタイプに該当します。
このようなタイプの人たちは少数派です。
人間は基本的に現状維持を好み、変化することを嫌うので、大多数の人は未来を予測しやすいタイプに属します。
未来を予測しやすいタイプ(変化することを好まない人たち)の中には、できるだけ現状を変えたくないと強く思っている人と、現状が良くなるのなら変えたいという人がいます。
できるだけ現状を変えたくないと強く思っている人を保守タイプと呼び、現状が良くなるのなら変えたいという人を革新タイプ呼ぶこともできますが、どちらも大きな変化を望まないという点では本質的には同じタイプです。
保守的タイプの人は、変化したくないと強く思い、変化することに対して、できる限り抵抗しようとします。
たとえば、現状よりも良くなりそうな機会があっても、その機会を見送り、変化しない方を選びます。変化することを選択したことにより、より良い未来が訪れる可能性が高いとしても、よく知っている現状の方が安心できるという考えの人です。
革新的タイプの人は、何が何でも現状が良いと思っているわけではなく、良くなる思える機会があれば、その機会を積極的に選択するという人です。
保守的タイプも革新的タイプも、本質的には同じ「変化することを好まないタイプ」であり、常に大きな変化を好んでいるわけではないので、未来の姿が予測しやすいのです。
未来は現在の積み重ねによって創られる
自分の未来の姿がどうなるかは、今やっていることである程度予測できます。
未来の姿というものは、現在していることの積み重ねによって創られるものであり、今まで歩んできた延長線上にあるからです。
たとえば、現在、食事と運動と生活習慣に関心を持ち、体調管理に気を付けて健康的な生活を送っているのなら、将来も、健康体でいられる可能性は高いでしょう。
反対に、現在、喫煙をしていたら、あるいは食事にも運動にも生活習慣にも気を配らずに生活していたら、将来は健康を損なう可能性が高いのです。
また、現在していないことが、未来になって急に起こるということはありません。
現在健康的な生活を送っている人が、将来急に健康を損なう可能性はとても低いのです。
もちろん、世の中には絶対ということはないので、健康的な生活を送っていても、稀に健康を損なう人もいるかもしれませんが、可能性を考えたら限りなく低いのです。
余暇の時間の使い方にしても、現在ゲームをしたり、インターネットを見たりして過ごしているのであれば、将来的には何も生まれない可能性が高いでしょう。余暇の時間を、家族や友人との親睦を深めるために使っているのであれば、将来も良好な人間関係が構築されている可能性が高いでしょう。
人生には、偶然現れる予期しない選択肢や、天変地異など予測不能な事態もありますが、基本的には、今やっていることの延長線に自分の未来の姿があるのです。
ですから、将来の自分の姿を知りたければ、今時間を使っていること、行っていることが、将来どのような結果を生むかを考えればいいのです。
現在の生活を改めて見つめて、現在時間を使っていること、行っていることをリストアップしてみましょう。そして、これらのことを続ければ、どのような未来が訪れるだろうかと予測すればいいのです。
もし、予測した未来の姿が好ましいものであれば、今現在していることを継続すれば良いと言えます。もし、予測した未来の姿が好ましくないものであれば、今していることを変えれば、未来を変えることもできます。
今、行っていないことに対して、未来の自分が急できるようになることはありません。
仕事上のスキルを磨いていなければ、それ以上スキルが伸びるということはありませんし、
現在貯蓄していないのに、将来急にお金持ちになるということはありません。
原因あっての結果なのです。
未来は現在していることの積み重ねによって創られるものなのです。
まとめ
金融市場と違って、人の未来は、ある程度予測できます。大筋では今していることの延長線上に未来の姿があり、将来、急激に大きな変化が訪れるということはありません。
つまり、今時間を使っていることをリストアップして、それがどのような結果を生むか考えれば、自分の未来の姿がある程度正確に予測できます。
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