つい衝動買いしてしまったことや、不要なものを買ってしまったというような、買い物で失敗した経験は、誰もがお持ちのことだと思います。
買い物をした後で後悔することがないように、さらにはお金を浪費しないためにも買い物で失敗する回数は減らしたいものですよね。
今回は、「買い物の失敗を減らす技術」を身に付ける方法をお伝えします。
真の買い物上手を目指す
俗に買い物上手といえば、良いものを見つけて、それを安く買うというイメージがあります。人が、買い物上手をイメージする場合、値段は欠かせない要素です。「一般的な価格と比べて安く買うこと」、いわゆる「お買い得な商品」を買うことと、買い物上手という概念は密接に結びついていると思います。
しかし、本当の買い物上手は、お買い得に見える商品を買う人ではなく、たとえお買い得に見えたとしても、断固として必要な物しか買わない人のことです。
不要なものは極力買わないようにして、必要な物だけを買う。この記事でいう、買い物の失敗を減らすための技術を磨くことは、すなわち「真の買い物上手」を目指すこととも言えます。
何事も学習することなしに上達することはない
買い物の失敗を減らす=真の買い物上手になるためには、学習が欠かせません。スポーツの技術でも、楽器の演奏技術でも、学習することによって上達していくに、買い物の技術も学習しない限り、上達することはありません。
何事でも上達するために絶対に欠かせない要素があります。それは、結果のフィードバックです。たとえば、ボウリングでピンが固定してあり、ボールを投げてもピンが全く倒れなかったとします。このレーンでいくら投球したとしても、投球の良し悪し=結果のフィードバックが得られないので、ボウリングが上達することはないでしょう。
あるいは、ピアノの鍵盤を叩いても音が出ない(=結果のフィードバックが得られない)としたら、演奏技術が上達するはずもありません。
行動した結果がうまくいったのか、失敗したのか、結果が分からないと、改善することはままならないのです。買い物も上達するためには、結果のフィードバックが不可欠なのです。
買い物の失敗を見分ける明確な判断基準
ボウリングで投球した結果のフィードバックには、ストライクが取れたか取れないかという明確な基準があります。この明確な基準があるから、ストライクが取れる球が投げられるように改善することができ、上達していくことができるのです。
それでは、買い物をした結果のフィードバックは、どのような基準で判断すればいいのでしょうか?
それはもちろん、必要なものであったか、不要なものであったかで行えばいいのですが、必要なものかそうでないかという基準で判断を下そうとすると、どうしても感情が入り込んでしまい、正確な判定を下すことができません。人は、自分が失敗したとは思いたくないものです。
たとえば、あまり着ない服を買ってしまっても、この服は「特別のお出かけのときに着るだろうから買って成功だった」などと、自己防衛本能が働いて、失敗したことを無意識のうちに、成功したことへとすり替えてしまうのです。
必要なものであったか、不要なものであったかという基準はあいまいなものです。人の性格によっても、そのときの感情によっても大きく変化します。このようなあいまいな基準では、上達するためのフィードバックとしては不完全です。
上達していくためには、ボウリングのストライクという結果のフィードバックのように、いつでも、誰が見ても、正確に判断することができる明確な基準が必要なのです。
買ったものが必要なものであったか、不要なものであったかを明確に判断する基準は、使用頻度です。使用頻度は明確な判断基準となります。買ったものを実際に繰り返し使っているかどうかの使用頻度で、買ったものが必要な物であったかを判断すれば、正確なフィードバックが得られます。
たとえば、買ってから何か月も着ていない服を、間違っても使用頻度が多い=必要なものであるというような、判断を下すことはないでしょう。使用頻度が低いものは、必要ではなかったものであり、それは失敗した買い物だったのです。
また、新しく買ったパソコンが、値下がりして失敗したなと思っていたとしても、そのパソコンを毎日使っているのであれば、使用頻度が高いもの=必要なものなので、その買い物は成功だったと、明確な判断基準によって判定を下すことができるのです。
「買ったものを実際に繰り返し使っているかどうかの使用頻度」という判断基準で、自分が買ったものを判定していけば、買い物の成功・失敗の結果を明確に知ることができます。
服、靴、本、雑貨、家電など、自分が買ったものを、使用頻度の基準でチェックしていき、買い物の失敗をなくすための学習をするのです。
どう見てもおしゃれに見える服だけど、買ってから一度しか着ていない服なら、それは失敗です。それに対して、頻繁に着る服もあるでしょうから、その差は一体なんなのかを、メモしておくと、今後買い物で失敗することを防ぐ気づきが得られます。
使用頻度の高い服は、シンプルで合わせやすかったり、着心地が良かったり、取り扱いが楽だったり、何かしらの理由があるはずです。
同じように、使用頻度の低い服は、着るのがもったいないと思ったり、着用シーンを選んだり、何かしらの理由があるはずなので、そのような服は今後、買わないようにすれば買い物の失敗回数を減らすことができます。
私も、かつては服をたくさん買っていました。たくさん所有するということは、必然的に一着当たりの着る回数が減ることになります。したがって、1~2度しか着ないで処分した服や、一度も着ないで処分した服もありましたが、結果のフィードバックによって学習することで、着る頻度の少ない服の傾向が分かり、今では失敗することはほとんどありません。
このように、買い物した結果の明確なフィードバックを得ることを習慣にして、そこから学ぶことによって、「買い物の失敗を減らす技術」を身に付けることができるのです。
まとめ
何事でも上達するためには、結果のフィードバックが必要です。買い物が成功したか、失敗したかを分けるものは、必要なものであったかそうでないかです。
必要なものであったかそうでないかを明確に判断するには、「使用頻度」という単一理由によってのみ判断することにしましょう。そうすれば、感情が入り込み、フィードバックがあいまいになることを避けられます。
買い物の失敗を減らすことができれば、金銭的にも、物理的にも、精神的にもメリットがたくさん得られます。不要なものを買わない、無駄遣いをしないと、お金が貯まります。不要なものが増えなければ、収納スペースが不要になります。さらに、片づけ、掃除、管理の必要もなくなります。
「買う」という行為は、生涯にわたって付いて回る行為なので、「買い物の失敗を減らす技術」を磨くこと、つまり、真の買い物上手に近づくことは、そうでない場合に比べ、人生のあらゆる面で大きな差を生むことになります。
あなたも、さっそく、自分の買ったものの成否を判定してみてはいかがでしょうか。
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