「コンフォートゾーン」という言葉をご存知でしょうか?
コンフォートゾーンとは、自分が快適だと感じる領域のことです。
具体的に言うと、慣れ親しんだことや、いつもしていること、不確実性のない範囲内のことです。
私たちは、コンフォートゾーンにいると安心だと感じるので、ここに留まりがちです。
なぜ安心だと感じるかというと、私たちには、得することよりも、損することの方を防ぎたいという「損失回避」と呼ばれる心理があるからです。
利益を手に入れる喜びより、損失を避けること恐怖の方が強く感じるのです。
この心理には、現状の変更を最小限に留めようとする、強い保守的な傾向があります。
現状維持で、良く知っていることだけをすれば、リスクが少ないと思うわけです。
しかし、これでは人間はどんどん小さくなっていってしまいます。
保守的に同じところに留まっていては、成長はできません。
コンフォートゾーンに留まることの弊害
万物流転で、世の中は常に変化し続けています。
変化するのが自然の流れです。
人間も、時代や年齢、思考、環境などに合わせて、どんどん変化していくのが自然の状態です。
しかし、コンフォートゾーンの範囲内で行動していては、変化することはできません。
変化するには、今までやったことのないこと、新しいことをする必要があるからです。
慣れ親しんだコンフォートゾーンだけで過ごしていると、コンフォートゾーンから出ることに抵抗を感じる様になってしまいます。
リスクを過度に恐れ、ちょっとした変化にも、恐怖を感じる臆病者になってしまうのです。
私のかつての知り合いに、自分が嫌だと思ったことは、いつも避けて通る人がいました。
何がそんなに嫌なのかと思って見ていましたが、いつも嫌なことから逃げてばかりだったので、臆病者になってしまい、逃げるのが普通になってしまっていたのでしょう。
自分が嫌だと思っていることを避けていたので、いつまで経っても成長できなかったのです。
流れている水は腐らないけど、同じ場所に留まっている水は腐るという、「流れない水は腐る」という格言がありますが、人間も同じところに留まっていては、衰えるだけです。
成長するためには、コンフォートゾーンから抜け出す必要があります。
コンフォートゾーンから抜け出す方法
コンフォートゾーンから抜け出すには、あえて「新しいことや、不確実なこと、小さいチャレンジ」を選択することです。
意識して、そのような選択をしない限り、私たちは慣れ親しんだことを選択します。
身近な例で言えば、外食する場合でも、自分好みのお店があれば、そこばかりに行ってしまいがちです。
新しいお店に行くのは、美味しくないかもしれないし、好みではないかもしれないという、小さなリスクがあるので、2、3店舗だけをローテーションしている人も多いです。
しかし、それでは、新たな発見や、新たな経験が得られないで、感性が成長することはありません。
この場合は、あえて、新しいお店を開拓するという選択をすれば、コンフォートゾーンから抜け出したということになります。
お店の選択するのは些細なことですが、このような日常の選択が思考のクセとなります。
私もコンフォートゾーンから抜け出すという思考習慣を付けるために、常にお店を新規開拓するということをしていました。
コンフォートゾーンから抜け出すときの注意点としては、急に大きな変化を求めないことです。
現状からあまりにも変化がありすぎると、パニックゾーンと呼ばれる領域に行ってしまいす。
不安が大きくなりすぎると、パフォーマンスが低下する研究結果もあります。
また、やっぱり、変化は恐ろしいということになり、 かえって保守的になりかねません。
変化は初めは小さく、コンフォートゾーンのすぐ外にある、ラーニングゾーンと呼ばれる学習領域内に変化を求めるのがコツです。
プールに、いきなり飛び込み代からジャンプして飛び込むのではなく、つま先から入る感覚です。
変化を細かくすれば、徐々にコンフォートゾーンを広げていくことができます。
まとめ
私たちは、慣れ親しんだところ、コンフォートゾーンに留まることを好みます。
慣れ親しんで良く知っていることには、不確実性というリスクがないからです。
しかし、安心感を求めコンフォートゾーンに留まっていると、リスクを恐れる臆病者になってしまい、成長できません。
そして、「流れない水は腐る」の格言の通り、同じ状態に留まっていると、気付かないうちに衰えてしまいます。
コンフォートゾーンを意識的に抜け出すことで、成長し続けることができ、小さなリスクを恐れない、真の安心感を得ることができるのです。
コメント