前回の記事「失敗しない!喜ばれるプレゼントの選び方(マインド編)」では、喜ばれるプレゼントの選びの考え方をご紹介しました。
今回はプレゼントの際に、実際に何を選べばよいかについてお伝えします。
前回の記事「失敗しない!喜ばれるプレゼントの選び方(マインド編)」をご覧になっていない方は、「マインド編」の方を先にご覧いただいた方が、より理解が深まり、役に立つと思いますので、ぜひご覧ください。
プレゼント選びには正解がある
私の会社員時代の話です。
ある人から、退職者向けのプレゼントを買ってきたという話を聞きました。
そして、プレゼントに選んだ商品を聞いて、私は「…プレゼント選びに失敗したな」と思いました。
なぜ、そう思ったのかというと、それはプレゼントの重要な部分、「本質」を見抜けていなかったからです。
さて、プレゼントを送るときに、「最も重要なこと」は何でしょうか?
前回の記事、喜ばれるプレゼントの選び方(マインド編)でもお伝えした通り、プレゼントで最も重要なことは、「相手を喜ばせること」です。
相手に喜んでもらえれば、そのプレゼントは成功したと言えるでしょう。
では、どうすれば、相手に喜んでもらえるか?
これには、正解が存在します。
自分本位で考えれば、「プレゼントは気持ちを物質化して表現したものだから、気持ちが大切。だから、贈り物自体は何でも良い」となります。
世の中では、お歳暮やお中元などを贈るときなどに、よくある考え方ですね。
これは当然、正解とは言えません。
もう一歩進んで、相手のことを考えて、「相手が喜びそうなものを考えて選ぶ」。
これは一見、正解のように思えますが、実はこれも、多くの人がしてしまう間違いです。
なぜなら、贈る側の考える、「相手が喜びそうなもの」と、「受け取る側が喜ぶもの」の間には、大きな開きがあるからです。
プレゼントを受け取る側が喜ぶものとは?
お世辞などの建前を抜きにして、プレゼントでもらったものの中で、心から本当嬉しかったものというのは、とても少ないのではないでしょうか?
本当は要らないものでも、プレゼントされたという経験を(無意識にでも)加えることで、良いものをもらったと錯覚することもあるかもしれませんが・・・。
これは、地球環境面から考えると、不用品を増やす、資源の無駄遣いという行為であり、プレゼントの負の側面であると言えるでしょう。
あまり考えずにプレゼントを買うと、環境汚染行為にもつながってしまうということも考える必要があります。
なので、不要品(つまりゴミですね)にならないように、「実用的なプレゼント」選ぶ必要があるのです。
イェール大学の研究でも、プレゼントを贈る側は「喜んでもらえそうか」で、ギフトの良し悪しを判断し、受け取る側は、「使えるかどうか」で判断していることがわかったといいます。
つまり、相手に喜んでもらえるプレゼントは、「相手がきっと喜ぶだろうと思うもの」を選ぶのではなく、「相手が欲しいもの、実用性のあるもの」を選ぶのが正解であると言えます。
使えるものを贈ることは、相手に喜んでもらえるし、資源を無駄にしないので、地球環境面にも優しいプレゼントになるのです。
相手が欲しいものを選ぶ方法
「相手が欲しいもの、実用性のあるもの」を選ぶために一番良い方法は、相手に欲しいものを具体的に聞くことです。
こうすれば、頭を悩ませることなく、相手にとってベストのプレゼントを簡単に贈ることができます。
これは、贈り手にとっても、受け取る側にとっても、メリットがあり、最も良い選択といえるでしょう。
サプライズプレゼントを贈るときのように、相手に聞けない場合は、相手が欲しいものを選べる、商品券のようなものがベストと言えるでしょう。
こういうプレゼントは「味気ない」と思う人もいるかもしれません。
実際に私も何度となく、そんな言葉を聞いてきました。
でも、自分を中心にして考えるのではなく、プレゼントで最も重要なことである、「相手に喜んでもらうこと」を、一番に考えるなら、これがベストの選択になるのです。
色々な理由で、どうしても、ベストの選択ができない場合に使える、ベターな考え方もあります。
それは、自分がお金を払ってでも欲しいと思う商品を選ぶことです。
自分がもらっていらないものは、大抵の場合、他の人もいらないと感じるのです。
先程紹介したイェール大学の研究結果の論文にも、「贈り手が、自分が欲しいものを選ぶようにすると、もらい手が本当に欲しがっているものに近づく」という記述があります。
以下、引用文です。
「自分が使うために選ぶとしたら、どれが良いだろう?」と考えれば、より実用的なものを選ぶはずです。
ですから、人にものを贈る時も、「このギフトって、自分でも本当に欲しいものかな?」と自問自答してみれば、結果的にもっと喜んでもらえるギフト選びにつながるはずです。
プレゼント用の商品は実用性がないものが多い
世の中にある贈り物の定番ともいえる「贈答用商品」には、見た目はいいけれど、使えないというものが多いです。
この記事の冒頭に書いた、退職者用に選ばれたプレゼントは「重くて使いづらい、贈答用のボールペン」でした。
贈答用のボールペンは、見た目には高級感があり、使用しないで見るだけなら良いのですが、実際に使ってみると使いづらいことがすぐにわかる、実用には不向きなボールペンです。
かつて私も、入学祝に「パーカー」というブランドの、ボールペンや、シャープペンを
もらったことがあります。
見た目はシュッとしてカッコイイのですが、持ち辛く、書きづらいので、結局、ほとんど使わずに、数年後に処分しました。
筆記用具は良く使うものなので、特に実用性が重要です。
ペンの本質である、書くことを重視するなら、高価なペンより、安くても書きやすいペンの方が、ペンとしての価値は高いのです。
ペンに関しては、金額と実用性は比例しません。
例えば、グリップ部にはラバーがあった方が、手への負担が少なく、握りやすく、書きやすいですが、高価なペンになると、ラバーは使われていません(安っぽく見えるからでしょう)。
高級ペンは実用性より、ステータスや見た目などの、使用者のエゴを重視しているからです。
少数派ですが、実用性より、見た目の方が大事という人もいるので、高級ペンにも、存在価値はありますけどね。
つまり、プレゼントに贈答用の高級ペンなどの「贈答用商品」、「プレゼントの定番品」を選ぶと、相手に喜ばれる可能性は低いということになります。
プレゼントに現金は厳禁!
実用的なプレゼントが喜ばれるのなら、最も実用的である「現金」をプレゼントするのが一番良いのではないか、という意見もあるでしょう。
確かに実用性、経済的効率を考えれば、現金をプレゼントするのが一番です。
しかし、お金が絡むと、社会的交流を規範とした「社会規範」の世界から、経済が支配する「市場規範」の世界へと変わってしまうのです。
持ちつ持たれつの関係でつながっている「社会規範」と、現金・ビジネスなどのお金でつながっているシビアな「市場規範」。
この2つの規範を混同すると、望ましくない事態が起こります。
現金が絡んだとたんに、好意の対価を金銭的に考えるシビア関係になってしまうのです。
社会的交流である社会規範の世界から、私たちの関係を金額にすればこれくらいだという、シビアな市場規範の関係に変わってしまいます。
たとえば、あなたが友人に親切にしたお礼として、現金をもらったらどう思うでしょうか?
友情や思いやりとして行った行為が、現金を渡されると、仕事へと変化してしまうのです。
現金が絡んだとたんに、友達の関係から、ビジネスの関係になってしまうのです。
だから、関係性を深めたいのなら、プレゼントに現金は禁物なのです。
たとえこちらが期待したほど相手に喜んでもらえない可能性があったとしても、現金ではないプレゼントを贈りましょう。
現金より、モノのプレゼントの方が経済効率は悪いものの、人間関係の潤滑油としては、有効なのです。
まとめ
相手に喜んでもらえるプレゼントは、「相手が喜ぶだろうと思うもの」ではなく、「相手が欲しいもの、実用性のあるもの」を選んで贈ることです。
そして、相手の喜びを最大限にするには相手に聞くのが一番です。
相手に聞けない場合は、贈答用商品などの「プレゼントの定番商品」ではなく、自分がもらってうれしいもの、自分でも使う実用品を選べば、喜ばれる可能性が高くなります。
ただし、人間関係がおかしくなるため、プレゼントに現金は禁物です。
コメント