「先延ばし」に打ち勝つ方法

やらなければいけないことだけど、 つい「先延ばし」にしてしまうことは、 誰にでもありますよね。

「私は、先延ばしにしたことはありません」 という人はいないでしょう。

些細なことから、大事なことまで、多くの人は、 何かしらは、先延ばしにしていることがあると思います。

大事だと分かっているのに、出来るならやりたくないこと―――
例えば、必ずしなければならない仕事だけど、苦手な仕事。

結果は得たいけれど、結果を得るためのプロセスに対する 心理的抵抗が高いこと―――
例えば、ダイエットしてやせたいけど、 やせるために運動をするのはあまり好きではない場合。

いつかやらなければと思っていること―――
健康的な体づくり、貯金など、重要なことだけど、 緊急ではないこと。

このように、誰もが抱える「先延ばし」に 打ち勝つための方法をご紹介します。

心理的抵抗を減らすには

1.長期的なプラスのために、目先のマイナスに耐える

私たちは、楽なこと、やりやすいこと、目先の楽しさを、 重要なことよりも優先してしまいがちです。

「今年は、貯金するぞ」と決めても、欲しい服や靴、 魅力的な新商品、必要だと思うものが出てきてしまい、 ついお金を使ってしまう。

このようなときは、お金を使わなくてはいけない、 もっともらしい理由が、いくらでも見つかるものです。

長い目で見て、将来的に手に入れられる利益と、 目先にある利益と比べて、将来のために、 目先の利益をあきらめて、将来の利益のために行動することも必要です。

2.やったときの気持ちは、やってみるまでわからない

やり始めるのに心理的な抵抗があると、 やるべきことを先延ばしにしやすくなります。

やり始めるのに心理的な抵抗があっても、 やってみないことには、やったときに自分が どういう気持ちになるか分かりません。

どんなに予測したとしても、やってみて、 そのときの状況に身を置かないと、 そのときの気持ちは分からないものです。

それは、人間は未来の感情を予測するのが苦手だからです。

面倒だ、大変だと思っていたことも、実際にやってみると、 思っていたより、大したことがないというのが、ほとんどです。

「案ずるより産むがやすし」というのは良くあることです。

何事も「大変だと思っても、やってみると、思っていたほど大変ではない」 ということを理解して、「まあやってみるか」と軽い気持ちで、 最初の一歩を踏み出してみれば良いのです。

3.人間はすぐに慣れるもの

晴れた日に、建物から外に出たときは、まぶしいと感じても、 しばらくすると目が慣れて、まぶしくなくなります。

行った場所がうるさいと感じても、嫌な臭いがすると思っても、 時間が経つにつれて、だんだん気にならなくなっていきます。

これは人間の持つ、順応という能力のおかげです。

良くも悪くも人間は、環境に慣れるものです。

やり始めたことが、最初は大変だと思っても、 そのまま続ければ、それほど大変ではなくなります。 続ければ続けるほど、心理的抵抗は減り、 楽になっていきます。

やり続ければ、最初に思っていたより、 悪いということはまずありません。

やらなければいけない状況を作り出す

先延ばしの誘惑を打ち破る、最も強力な方法は、 やらなければいけない状況を、自ら、事前に作り出すことです。

やらざるを得ない状況に身を置くことで、自分の意思の力だけでなく、 外部の圧力も味方にすることができます。

1.約束をする

もし、先延ばしにしていることを、 誰かと一緒にしようという約束をしたら、どうなるでしょうか?

高い確率で、その通りに実行されることでしょう。

誰かと約束をすると、約束を破って相手に迷惑を かけるわけにはいかないので、強い強制力が働きます。

先延ばしにしてしまいがちなことを、事前に、 約束や予約を入れて、スケジュールに組み込みましょう。

急ぎではないけれど、大事な仕事であれば、 打ち合わせの日程を事前に決めてしまうとか、 成果物の提出日を決めるとか、誰かと約束することで、 先延ばしに対抗できます。

2.公表する

先延ばしにしそうなことは、公表してみましょう。 公表することは、特に目標達成などに有効です。

結果は得たいけれど、結果を得るためのプロセスは、 できればやりたくない場合、例えば、ダイエットや、 資格取得のための勉強などの場合です。

ダイエットであれば、「今月中に5キロ痩せる」とか、 資格取得であれば、「一発で試験に合格する」とかいうことを、 周囲の人に公表すれば良いのです。

公表することで、周りの人達の目や口という、外部の圧力だけでなく、 言ったことをやる一貫した人間に見られたいという心理が働き、 自分の内部からも圧力がかかります。

公表することは、思った以上に強制力が働き、 先延ばしを抑制することができます。

3.協力してもらう

自分を強制的に動かすように、誰かに協力してもらうのも良い方法です。

運動しなければいけないと思っていても、先延ばしにしている人は、 運動が得意な人に、トレーニングに付き合ってもらうのと良いでしょう。

早起きして、朝型にしようと思っていても、 長い間先延ばしになっている人も多のではないでしょうか?

起きているときは、早起きしようと思うのですが、 いざ朝になると、もう少し寝ていたいという気持ちは、 誰もが経験したことがあるものです。

自分の力で、どうしても改善できないなら、 習慣化するまでの間、他人の協力を得るのも良い方法です。

とても苦手なことなら、 誰かの力を借りる必要が来るときもあることでしょう。

使用人の協力で、朝寝坊を改善したという、 フランスの博物学者・ビュフォンのエピソードをご紹介しましょう。

ビュフォンは、時間を限りある貴重な財産だと考えていましたが、 早起きすることができず、大切な時間を無駄にしていました。

この朝寝坊のクセを改善しようとしても、 なかなか時間どおりに起きることができませんでした。 そこで、使用人のジョゼフを呼び、 「朝6時に起こしてくれたら、その都度、銀貨を払う」と約束しました。

それでも最初のうちは、「具合が悪い」と、仮病を使ったり、 「睡眠の邪魔をするな」と怒りだしたりで、さっぱり起きようとしません。

その上、ようやく目を覚ました後には、 「どうして約束通りに起こしてくれなかったんだ」と小言を言う始末でした。 これではジョゼフは銀貨を1枚ももらうことができません。

この主人の態度に業を煮やしたジョゼフは、 何が何でも起こすことにしました。 主人に懇願されても、「首にするぞ」と脅されても、 強制的に起こし続けました。

ある朝などは、ビュフォンがあまりにもごねるので、 洗面器に冷たい水をくんできて、 それを彼の背中に流し込みました。

こうした努力の末に、ビュフォンはようやく悪習を 改善することができたのです。 ビュフォンは、「博物学に関する私の著作のうち3、4巻は、 ジョゼフのお陰でできたようなものだ」と良く言っていたそうです。

ビュフォンはこの後、朝9時から2時まで勉強し、 夕方はまた5時から9時まで机に向かうという生活を40年間も続けました。 それが習慣として完全に身についてしまったのです。 

まとめ

私たちは、楽なこと、やりやすいこと、目先の利益を優先しがちで、 重要なことでも先延ばしにする傾向にあります。

やり始めるのに、心理的な抵抗があると、 先延ばしにしやすくなります。

しかし、やっていみないことには、 やったときに自分がどういう気持ちになるか分かりません。

私たちは、未来の感情を予測するのが苦手だからです。

大変だと思っていたことも、実際にやってみると、 思っていたより大したことがほとんどです。 このことを理解して、心理的抵抗を小さくして、 「まあやってみるか」と軽い気持ちで、 やり始めるのが良い方法です。

先延ばしに対抗する、最も強力な方法は、約束をしたり、 公表したり、協力してもらったりして、 絶対にやらなければならない状況を事前に作っておくことです。

このような強制力の働く状況に身を置くことによって、 先延ばしの誘惑に打ち勝つことが力を得ることができるでしょう。

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