片づけられない人が知っておくべき2つの心理バイアス

机の上や、部屋の状態は、その人の思考状態を表していると言ってもいいでしょう。

頭の中が整理されていないと、どれが必要なのかの判断があいまいで、物も整理できません。

つまり、ごちゃごちゃした部屋に住んでいる人は、頭の中もごちゃごちゃとしているというわけです。

改めて言うまでもなく、整理整頓というのは人生においてとても重要なことです。

まず整理されていないと効率が悪いでよね。

仕事でも私生活でも支障が出てきます。

ごちゃごちゃとした職場なら、必要なものを探し、取り出すまでに時間がかかります。

机が整理されていなければ、必要な文具や書類を見つけるまでに時間がかかってしまいます。

整理されていれば生じない、探す手間によって、時間とエネルギーが無駄になってしまいます。

仕事に必要なものを探すのだけで、一苦労なんてこともあります。

人の意志力やエネルギーには限りがあるので、本来仕事に向けられるはずのエネルギーがもの探しに使われてしまうと、仕事の効率も落ちます。

また、散らかっている場所は、人間の気を散らし、集中力を奪います。

何かに集中しようとしていても、色々なものが視界に入ると、無意識の内に気が散ってしまうのです。

これらことは無意識下で起こっているので、エネルギーや集中力が奪われているという自覚がないところが恐ろしいところです。

大切な時間やエネルギーを無駄にしてしまい、さらに集中力を奪われる原因となる、ごちゃごちゃとした片付いていない環境は、今すぐに改善したいものですよね。

整理すればいいだけの話なのですが、言うは易く行うは難しで、なかなか整理できない人が多いのが実情です。

今回は、片づけられない人が知っておくべき心理バイアスについてお伝えします。

私たちは手放すのが苦手である

整理とは無駄なもの、不要なものを処分することです。

整理するためには、まず物を減らさないといけません。

しかし、私たち人間は物を手放すことが苦手です。

これはなぜなのでしょうか?

私たちはありのままに、物事を見ているわけではありません。

人の物の見方には、無意識の内にバイアス(体系的な偏り)がかかっています。

体系的な偏りとは、ある条件下であれば、誰もが偏って見えることを言います。

この図を見てください。

このAとBの線はどちらが長く見えるでしょうか?

知っている人も多いと思いますが、Aの線もBの線の長さも同じ長さです。

ですが、Bの方が長く見えます。

これは有名なミュラー・リヤー錯視と呼ばれるもので、線に内向き羽が付いていれば、短く見え、線に外向きに羽が付いていたら長く見えます。

たとえそのことを知っていたとしても、無意識の内にそのように見えるものなのです。

これは視覚的な錯覚ですが、視覚ではなく認知的な勘違いのことを「認知的錯覚」や「心理バイアス」と言います。

錯視と同じで、知っていても思い違いをしてしまうのです。

所有物をなかなか手放せないのも、こういった心理バイアスがかかっているせいなのです。

保有効果とは?

人は一度保有すると、その価値を過大評価するようになることを「保有効果」と言います。別名「授かり効果」とも呼ばれます。

物の価値は手に入れる前に見ればわかると思いがちですが、所有したとたんに、見方が変わってしまうのです。

保有効果に関して、ダニエル・カーネマンらの行った、こんな実験があります。

まず実験参加者の半数に、ランダムにマグカップが割り当てられました。

マグカップを配られた人が売り手で、配られなかった人は買い手になります。

売り手は自分の前にマグカップを置き、買い手はそのマグカップをじっくり見るように指示されます。

買い手は、自腹を切って買わなければなりません。

その後に、全員が取引希望価格を提示しました。

その結果は、何と平均の売値は、平均の買値の約2倍に達しました。

これは、売り手に保有効果が働き、マグカップの価値を過大に評価するようになったということを表しています。

人は一度自分のものになったら、それに高い価値を感じるようになるのです。

この心理バイアスが、物を手放せない大きな理由です。

たとえ使っていないものでも、使い古したものでも、自分のものには価値を過大に感じるのです。

損失回避とは?

想像してみてください。

あなたが一万円をもらったときに感じる喜びと、一万円を落としたときに感じる悔しさは、どちらの方が大きいでしょうか?

 

きっと、一万円を落としたときに感じる悔しさの方が大きいはずです。

 

「損失回避」とは、得をしたときの嬉しさよりも、損をしたときの悔しさの方が大きく感じるので、損を避けたいと思う心理傾向のことを言います。

自分が持っているものを手放すことは、損失であると感じてしまうので、手放すことによって得られるメリット(気を散らさない環境や、時間やエネルギーの節約など)より、所有物を失うことを避けたいという気持ちの方が大きいので、なかなかものを捨てられないのです。

「捨てられない」を解決する方法

1.自分が思い違いをしていることを理解する

手放せないと感じたときには、「保有効果」や「損失回避」の心理が働いているということを理解することです。

保有効果が働いているので、正当な評価ではなく、過大評価してしまっていることと、損失回避の心理が働いているので、手放すことによって得られるメリットより、デメリットの方が大きく感じているのだと認識しましょう。

今、自分は思い違いをしているのだということが認識できれば、対策が立てられます。

たとえば、今まで使ってもいなかったのに、捨てるか否かの判断をするときになって、これは、こうすれば使えるのではないかとか、こういうときに使えるとか、急にクリエイティブな思考が働きだしても、それは、損失回避による幻想的クリエイティブ思考です。

実際には今まで使ってこなかったので、これからも使う出番は来ないでしょう。

2.「中古のものが売っていたら?」を想像する

今、これを持っていなかったとして、リサイクルショップにこれが売っていたら、今からお金を出して買うだろうか?と自問します。

このとき重要なのは、想像力を働かして、本当にこれ持っていなかったとしたら、リサイクルショップで、中古のこれが売っているのを見て、欲しいと思うかを具体的に想像してみることです。

自分のものではなく、中古のリサイクルショップで扱っているものとして想像すれば、保有効果は軽減されるはずです。

着ていないシャツが捨てられないとしたら、リサイクルショップや、フリーマーケットで中古のシャツが売っていたと想像して、今、お金を払ってでも欲しいと思うだろうかと想像することです。

その答えが、100%YESでなかったら、処分した方がメリットが大きいでしょう。

3.他人の力を借りる

保有効果は、保有すると働くため、所有者が保有していないと仮定して価値を判断するよりも、保有していない他人の方が、ものの価値を正確に判断することできます。

また、他人には損失回避の心理も働きません。

このことから、他人の意見を聞くことは、要不要の合理的な判断を下すのに役立つことになります。

手放すかどうか迷ったら、誰かにどう思うか聞いてみればいいのです。

「そんなの要らないでしょう。捨てた方が良いよ」と言われたら、反論せずに従うことです。

手放すことが慣れてきたら、自分でも、要るか迷っている時点で手放すことができるようになります。

保有効果により、価値を過大に評価しているのに、それでも手放そうかと迷っているということは、バイアスがかかっていなければ、それは全く要らいないものだと判断できるからです。

まとめ

整理されていない環境は、私たちにとって重要な資源である時間やエネルギーが浪費されていまい、非効率的です。

また、気が散ってしまい集中力が奪われてしまいます。

整理とは、まず不要なものを処分することですが、「保有効果」と「損失回避」という心理バイアスによって、なかなかそれができません。

これを解決する第一歩は、人は所有物を過大評価するということと、損をしたくないという心理的バイアスが無意識の内にかかっていて、正当に所有物を評価ができなくなっていることを知ることです。

片づけが苦手な人は、他人に手伝ってもらうのが効果的です。

他人には所有意識が働かないので、所有者より的確に価値が評価できます。

そして、その意見に反論しないで、耳を傾けることです。

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