職場の不潔な人にどう対処すべきか?

コミュニケーション

友人から「肩にフケが、”雪のように降り積っている” 不潔な人が職場にいるんだけど、どうしよう」という相談を受けました。

 

私は、少々のことであれば、気にしないようにするのが一番だと言ったのですが、友人は、「どうしても目に入るし、絶句するレベル」だと言います。

 

その人のフケのひどさには、周りの人も絶対に気付いているけど、誰も何も言わないので困っているとのことでした。

 

このように職場内に、不潔な人、体臭がキツイ人などがいるのは、程度の差はあれ、割と良く聞く話です。

 

私自身も、かつて経験したことがあります。

 

このような場合は、どうすればいいのでしょうか?

 

あなたなら、どうしますか?

普通の人の反応

何もしない

職場に不潔な人がいて、臭かったり、気持ち悪かったりして困っていても、普通の人、つまり多くの人は、何も言いませんし、何もしません。

 

友人の職場の人たちと同じです。

 

なぜ何も言わないのかというと、それは言いづらいからです。

 

相手に苦情を言うことで、人間関係に波風を立てるかもしれないという、リスクを冒したくないからです。

 

苦情を言ったとしても、それは本人に向けてではなく、周りの人たちだけで陰で苦情を言い合うだけというのが最も良くあるパターンです。

 

陰口を言うことで、少しは気分が晴れるかもしれませんが、困っている状況は全く変わりません。

デリカシーのない人

ズバリと言う

デリカシーのない人は、相手がどう思うかなんて、まったく気にせず、気になったことはズバッと言います。

 

しかし、これでは相手は気まずい思いをしたり、傷つく可能性があります。

 

そして、状況が改善される可能性も極めて低いです。

 

なぜなら、言われた相手は、注意されたからといって、それを直そうという気持ちにはならないからです。

 

人が、自分の行動変えるのは、権力者からの強力な圧力が働いたときか、自分からやりたいという気持ちを起こしたときだけです。

 

注意をされたから気を付けようと思う人は、まずいません。

 

多くの人は、注意に対して、反発するか、注意されたことを正当化して、できない理由を自分の中に見つけて、仕方がないことだと自分に言い聞かせてそれで終わりです。

 

例えば、お風呂に入っていなくて、臭い人に対して、「臭いから何とかして」と言ったとします。

 

言われた人は、「そう言われても、お風呂に毎日入るのは面倒だから仕方がないことだ」というように、自分を正当化する理由を見つけます。

 

そして、人から臭いと言われたことよりも、お風呂に入るのが面倒だという気持ちの方が強いので、決して直そうなどと考えたりはしないのです。

改善してもらうために必要なこと

手をさしのべる

目的は、相手に不潔であることを分からせることではありません。

 

目的は、不潔なところを改善してもらうことです。

 

どうしたら不潔さを改善してもらえるかということを、一番に考えなければいけません。

つまり、相手に自分からやりたいという気持ちを起こさせることに重点を置かなければなりません。

 

そのために必要なのは、相手を思いやる本当の優しさと、リスクを恐れない勇気です。

本当の優しさ

汚い・臭い・不潔というような、周りの人が嫌がるような、明らかな欠点を放っておいたら、その人はいつまでも嫌われていることでしょう。

 

そのような欠点を直すために手助けをしようとすることは、本当の優しい気持ちがなければできません。本当の優しい気持ちとは、相手に対する、心からの思いやりの気持ちです。

勇気

気まずい思いをするかもしれない、恨みを買うかもしれない、人間関係が悪くなるかもしれないという恐怖心が、言いづらいことの深層心理にあります。

 

この恐怖心に打ち勝つ勇気。

 

相手の明らかな欠点を直す手伝いをする、そして、自分の不快さも解消するという、2つのメリットのために、ほんの少し勇気を出す必要があるのです。

効果的な伝え方

話しかける

1.1対1で話す

相手に伝えるときには、周りに人がいない状況を作り、1対1で話をします。

 

どんなに親身になって話をしても、周りに人がいると、人の目が気になります。

人に聞かれるということに気を取られ、話に集中できず、話が半分も伝わらないことでしょう。

 

また、人前で恥をかかされたという恨みを買う恐れもあります。

必ず、周りに人がいない所、人に見られない所を選んで話をしましょう。

2.相手に非難ではないことを伝える

1対1で話を切り出すと、相手は、何を言われるんだろうという恐怖心が生じます。

 

ですから、まず、これから話すことは、相手を非難するのではなく、相手に今起こっている危機から、救ってあげようとしているのだということを伝えましょう。私は敵ではなく、味方なのだということを最初に伝えて、相手に安心感を与えるのです。

 

誰でも人から嫌われるのは、いい気分はしないものです。

 

ですから、あることが原因で、相手が皆から嫌がられているという情報を教えてくれるのだということが、相手に伝われば、ありがたいなと感じ、真剣に耳を傾けてくれることでしょう。

3.親身になって話を聞く

相手に現状を話したら、こちらからアドバイスをしたり、解決策を提示したりするのではなく、親身になって相手の話を聞きましょう。

 

なぜなら、私たちは、人から言われた意見より、自分の意見を重視するからです。

そして、自分が表明したことに対しては、「コミットメントと一貫性」と呼ばれる強力な心理が働きます。

 

「コミットメントと一貫性」とは、ある立場を取ったり、ある宣言したりすると、一貫した人間に見られたいばかりに、その立場を維持しようと自分の内からも外からも圧力がかかるという心理を言います。

人から言われた意見ではなく、自分から言った意見は実行される可能性が高くなるのです。

 

ですから、相手の話を親身になって聞いて、相手が自ら、「改善する」「改善したい」というような言葉を発するまで、こちらからはアドバイスなどせずに、我慢強く、じっくりと話を聞きましょう。相槌を打ったり、もっと話すように促したりしている間に、現状を変えようとする言葉が一度くらいは出てくるものです。

 

そのような言葉が出たら、大きく賛同して、素晴らしいことだ、きっと状況が良くなると鼓舞してあげましょう。

まとめ

不潔な部分など、相手の明らかなマイナスポイントを改善してもらうのに必要なのは、相手を思いやる本当の優しさと、恨みを買うかもしれないというリスクを恐れない勇気です。

 

リスクと言っても、やり方さえ間違えなければ、そのリスクは限りなく少なくすることができます。

人を助けてあげるんだという尊い気持ちを持って、相手と自分のために勇気を出して行動しましょう。

 

思いやりの気持ちが伝わり、相手に自らやる気を起こさせれば、人は行動を変えます。

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